先日、子供の虫歯治療のため、歯医者へ連れて行った時のことです。
いつも嫌がりなかなか治療が進まないので、今回もできないかな、早く終わらせたいな、などと思いながら行きました。

すると、先生は口の中を診てチェックして、いよいよこれから治療にかかる、というタイミングで機械を止め、椅子の背を起こし「好きなキャラクターは何かある？」と突然子供に聞いていたのです。

そして子供と一緒にタブレットでキャラクターを見ながら会話が盛り上がっていて、ふと「この時間は何なのだろう」と思いながら見ていると、「じゃあ、治療していこうか」と、椅子を倒し、子供もすんなりと口を開け、治療が始まりました。
口を開けるのさえ嫌がっていたのに、あっという間に笑顔で治療が終わりました。

私だったら嫌がろうが無理矢理にでもやってしまうと思いますが、先生は、緊張や不安、恐怖を感じている子供をまずリラックスさせ心を開かせて、コミュニケーションを取り信頼関係を作る、そうしてはじめて治療に入る、という流れでした。

相手が人ならば、こちらの都合や一方通行な思いや考えだけではいけない、相手のことをしっかり見て思い考え受け入れて、うわべだけではない、信頼し合える関係を、関わる人と作っていきたいと思いました。

村瀬純子